相談件数の多い虫達 ゴキブリ

ゴキブリは約3億8千万年前の古生代の地球に現われ、以来形態的に殆ど変わらぬまま繁栄を続けている生き物の元祖のような存在です。少なくとも人間の100倍以上の歴史をもつ彼らを「害虫」よばわりして嫌うのは畏れ多いことなのかも知れません。
文献によると江戸時代以前では、ゴキブリをコガネムシと呼んで、商売繁盛をもたらす縁起の良い虫とする思想もあったようです。

代表的なゴキブリ
クロゴキブリ

クロゴキブリ

原産地

中国南部

体長

30〜40mm

特長

光沢のある黒色

チャバネゴキブリ

チャバネゴキブリ

原産地

アフリカ・東南アジア

体長

10〜15mm

特長

黄褐色(背面に1対の黒色模様)

ワモンゴキブリ

ワモンゴキブリ

原産地

アフリカ

体長

30〜45mm

特長

光沢のある褐色(日本で最大級)

ゴキブリの生態
卵鞘をもった
チャバネゴキブリ

ゴキブリの卵は卵鞘と呼ばれるケースの中に並んで入っており、1個の卵鞘からクロゴキブリで20〜25,チャバネゴキブリで約40匹前後の幼虫がふ化します。ゴキブリの幼虫は数回の脱皮を繰り返しますが蛹にはならず、最終脱皮で成虫となります。
虫としての寿命は非常に長いほうで、クロゴキブリの成虫寿命は雄で8ヵ月、雌で1年半といわれています。

ゴキブリの被害

ゴキブリの被害としては、

 1.直観的な不快感
 2.悪臭(油臭い)
 3.病原菌の運搬
 4.食品等の食害

などがあげられ、特に3と4は重大な被害ですが、現在の日本では1が圧倒的多数を占めています。すなわち気味が悪いとかイメージが悪いなどというもので、このように人間の主観で不快とされ、その存在自体を被害とみなされる害虫を「不快害虫」と呼んでいます。病原菌の媒介として消化器系伝染病の細菌や小児マヒウィルスの運搬が知られていますが、最近ではほとんど例がありません。

ゴキブリの防除
ゴキブリの防除

ゴキブリの駆除は一般家庭から飲食店・ホテル・病院・学校施設など幅広いステージで実施されていますが、市販の殺虫剤で誰でも実施できるものの、なかなか効果が得られない難しさがあります。しかも、最近は殺虫剤を使用したくない・又は使用できない環境も増え、駆除が困難となるケースが多くなっています。昨今の新しい技術ではそうした社会のニーズに対応し、殺虫剤のように飛散・流出しない食毒剤や、IPMの考え方を基調として、ゴキブリが生息できない環境作りを徹底するなどの手法が用いられています。 >>詳しくはコチラ