トコジラミは以前はナンキンムシ(南京虫)とも呼ばれ、明治10年の西南戦争の際に兵舎で蔓延して問題になりました。
家具や家財道具などについて移動し、家住性害虫として世界各地で刺咬被害を出しています。
日本においては戦後DDTの散布などにより激減しましたが、殺虫剤の散布制限や、昆虫の薬剤耐性の発達などにより局所的な発生は現在でも続いています。
トコジラミ成虫 |
トコジラミ裏面 |
半翅目、トコジラミ科
体長約5mm、吸血すると8mm程度に膨らむ 夜行性で夜間吸血する。日中は壁の間隙、畳の間、家具裏、襖などの桟の隙間、柱の穴等に潜み、その周辺は糞の黒い斑点ができるので、見分けやすい。
成虫の寿命は1年程度で、その間に上記の棲家に約200程の卵を産む。蛹期間はなく、幼虫も親と同じように吸血し、脱皮しながら成虫になる。耐寒性は強い。
医薬品又は医薬部外品の有機リン剤、カーバメイト剤、ピレスロイド剤などで人畜や環境に影響の少ない薬剤を選択し、潜み箇所に対し局所処理を実施します。畳裏などには粉剤の使用も効果的です。
殺虫剤使用に問題がある場合は、スチーム(高温蒸気)噴霧器等により潜み箇所に直接吹き付ける方法もありますが、完全駆除は難しい場合があります。